“大芸工展“の象徴であるロゴマーク。これにはどんな意味が込められているのか?

 

制作者である倉員さんとお話ししました!

 

 

倉員 治基(Kurakazu Haruki)
福岡県出身。学部4年時、2018年7月に九州大学芸術工学部環境設計学科を休学。現在デンマークのRønshoved Højskoleに留学中。
建築デザイン、セラミックス、ファッションを専攻している。

 

Haruki Kurakazu Instagram


ー「大芸工展ロゴのコンセプトを教えてください。」

 

一言でいうと難しいですが、三つのポイントがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、アウトラインを”Geijutsukogaku”の頭文字“G”をモチーフにしていることです。あえて英語に訳した “artistic engineering”という言葉は使っていません。ここに、日本で”芸術工学”という言葉、学問とその価値がもっと普及して欲しいという願いを込めました。また、正確な曲線を使わず、少しガタつかせています。そうして手仕事で作り出された感じをだすことで、エネルギッシュさ、新しく何かが生まれてくるような躍動感を表現しました。

 

 

二つ目は、手の形であることです。私は、芸術工学という分野は、製作者の感性に由来する「芸術」に機能を生み出す「工学」が加わることで、世の中の役に立つ、人が「使う芸術」を生み出すものだと思っています。そのため「使う」ことの象徴として手をモチーフにしました。これは自らの手で作り出すというクリエイティブな意味合いも含んでいます。大芸工展の場で、芸工生の手で、世の中の人が「使う」作品をつくり出してほしいと思っています。

 

 

最後は、たてられている4本の指です。これは4つの芸工の名を冠する大学を表しています。今は、それぞれの学校が異なるベクトルで発展していますが、芸術工学の目指す「使う芸術」、その根本的なところはつながっており、同じ志をもって自分だけの道を切り開いて進んでいることを意味しています。

 

 

※このデザインに差別を助長する意図はありません。

 

 

シンプルに信念を形づける。


 

ー「ロゴマークのデザインのこだわりを教えてください。」

 

 

九州大学 ファッションショーサークル CBAproject ロゴ

 

 

一見シンプルですが、様々な思いを込めていることです。ロゴのデザインはいくつか手掛けていて、その時は必ずこの意識をもってデザインしています。この大芸工展もそうですし、団体や企業は各々信念を持って動いています。その思いを、率直に形作ることで、見る人全員がそれを共有できる。これがロゴマークの役割であると思います。

 

 

九州大学 ダンスチーム ロゴ

 

 

 

大芸工展にて社会と芸術工学の関係を構築。


 

ー「最後に大芸工展への期待を教えてください。」

 

 

私は、芸術工学という分野は非常に専門的かつ実用的であるととらえています。なぜなら、芸術と工学の二つの視点を深く学習したうえで、デザインを実践していくからです。「使う芸術」を生み出すことは、他の学問では成しえないものだと思っています。

 

 

それに反して、世間の芸術工学の認知の薄さが非常に残念に思います。今の社会、芸工生が力を発揮できる場はたくさんあるでしょう。プロダクトにしろ、建築にしろ、芸術工学を学んだ者にかかれば、「使う芸術」の視点から、より目的にあった洗練されたデザインができるのではないかと感じます。

 

 

だから、大芸工展は単なる学生の展覧会として終わるのではなく、世の中の人が芸術工学に目を向け、認識するきっかけになってほしいです。最終的には、企画を通して、芸術工学と社会の新しい関係ができることを願っています。

 


エネルギッシュな力強い印象のあるロゴマークだとは思いましたが、このような期待、思いが込められている作品とは思いもよりませんでした。大芸工展を通して、私たちの「手」で倉員さんの思う芸術工学の活躍の場を増やせる社会を目指したいと思います。

 

 

(執筆者:足立昂貴)