発想の方法を追求する展示会「ノザイナー かたちと理由」。

 

「変化を加速させるデザイン」をテーマに、新しい「形」を探求し続ける太刀川英輔さん。

 

今回の大芸工展の審査員として、そのお話を伺いました。

 

太刀川英輔(Tachikawa Eisuke)
2003年法政大学工学部卒業。2006年慶應義塾大学大学院理工学部建築学科を卒業後、NOSIGNERとして活動を始める。Design for Asia Award2011大賞・特別賞、NY ADC Young Guns 7、PENTAWARDS PLATINUM(パッケージデザイン食品部門世界最優秀賞)、グッドデザイン賞など多くの国際賞を受賞する。

 

 

 

学生時代から自分と著名デザイナーを比較し、将来を描く。


 

-「学生時代どのような活動を行い、その中で現在の仕事でも活きていることはありますか。」

 

大学一年生から、たくさんの建築家の講演に足を運んで、挙手して質問していました。全然、建築のことなんてわからなかったのに。わからないからこそ質問してみる勇気が僕を育ててくれました。そして、大学三年生のころ、「歴史上の偉大な建築家やデザイナー全員が僕の人生にとってのライバルなんだ」ということに気づきました。目標と現在地点のあまりの距離に衝撃を受けたのを覚えています。

 

 

KINOWA

 

それから、大きすぎるものはわからない。ならば細かく分解すればいい。優れた建築家やデザイナーのスキルや、デザインのコンテクストを因数分解して理解するように心がけました。その学習プロセスに気づけたののは本当に良かった。4年の卒業設計では、新宿中央公園のリノベーションを行いました。自然から形を学んで、都市にリサイクルエネルギーのプラントを埋め込むという提案。今行っている社会的なデザインの先に、そういった未来を夢見ているのは、学生時代から変わりません。

 

 

大学院の頃、建築学会の学生団体の代表だったことがあって、それがきっかけで、建築以外のデザインに足を踏み込むようになりました。大学院の修士論文が、デザインと言語の類似性を理解して、天才的な発想の共通ルールを探るというものでした。いま教えている母校の大学院では、まさにその研究の延長を教えています。僕の様に学生時代に自分が興味を持ったものが、その後の人生を決めてしまうことがあるので、いま、自分の心の内側の声に耳を傾けてみてください。

 

 

今回の芸工の団結が後の日本のデザインを作りだす。


-「これからの芸工に期待することはありますか。」

 

まさに時代の先端にデザインとアートが置かれつつある時代です。でも社会をハックするには、芸術側だけではなく社会側への理解が必須になります。その垣根を超える人材がたくさん日本に生まれるといいですよね。そういう教育を発明したいな、と思いつつ「進化思考」の教育プログラムを作っています。

 

 

MIKADO LEMON

 

-「大芸工展についてメッセージをお願いします。」

 

このイベントで、審査員とか誰かが話をすることよりも、君たちがいま横で団結したことが、これから先の未来をつくります。10年すれば、きみのとなりのやつが凄いことをやらかし始めます。そういった刺激と切磋琢磨から、時代を触発するクリエイティブが生まれます。激変する時代には、あなたたちの時間と年代しかできないことがたくさんあるから。頑張ってね。

 


 

太刀川さんの芸工生に向けたメッセージ。「君たちがいま横で団結したことが、これから先の未来をつくります。」この言葉が深く突き刺さりました。
この大芸工展を通して、芸工生同士が継続的なつながりを形成し、お互いに切磋琢磨し合いながら、将来の日本の誇るデザイナーとして活躍していくことを願っています。

(執筆者:足立 昂貴)